【プラダ】【インタビュー】ディーゼル デザイナー 二コラ・フォルミケッティ – 就任から現在、そして未来への展望

プラダ


ディーゼル 2015年秋冬コレクションより

二コラフォルミケッティがディーゼル(DIESEL)のアーティスティックディレクターに就任して約2年その間にブランドはどう変貌を遂げ、これからどう成長していくのか、二コラフォルミケッティに話を伺った

ディーゼルのアーティスティックディレクターに就任して2年近くが経ちましたその期間を振り返ってみていかがですか?

ディーゼルはアイデンティティの強いブランド素材でいうとデニムが強いです大きな会社ですので、スケールも大きいだから全体を動かすには難しいことも多く、その準備をしていましたプラダ カナパ コピー一緒にクリエーションをしてくれるスタッフなど、自分が仕事をしやすい人とチームが組めるように動いていました今までやってきたことは、採用などインターナルな仕事が多いです

今は、すごく良いチームになりましたこれからはそれを世に出していく例えば、ショップのブランディングにタッチできるような体制ができたり…ここまで2年かかったんですよ!

 
2014秋冬コレクションより – ニコラがディーゼルで発表した初コレクション

社内の体制を変えることは、自分にも回りにも大きなストレスとなると思いますが、どうですか?

就任したばかりの時に、思いっきり強く、ぱぱっと速くチームを変えられたかもしれませんでも半分日本人の僕は、謙虚だからできませんでした笑

創業者のレンツォロッソが37年間、子供のように育ててきたにスタイルをリスペクトしつつ、必要な部分は変えるこれは、結構労力がかかりますねでもこれらの社内での活動を見て、レンツォは「頑張れ!」と言ってくれるようになりました

環境がガラッと変わりましたが、気をつけていることはありますか?

チームを変えるといったように、変化の中でも自分の世界を作ることが大事家具や本、友人、アシスタントなどを含めて、環境を整えること最初の2年はそこに注力しました

僕は、小さな頃から日本とイタリアを行ったり来たりしていたので、スーツケースで生活することに慣れていることもありますその時の経験が活きているのかも知れません考えてみると、最近も自分の家に何ヶ月もいってないですね

自分ひとりが、何も持たずに大きい世界にいったら、もともとそこにいた人と同化してしまう自分の世界を持っていかないと潰れてしまうし、それはディーゼルも望んでいないと思います

 
ディーゼル 2015年秋冬コレクションより

ディーゼルワールドの展開、世界観の広がり

ディーゼルには、様々なカテゴリーがありますが、どこから着手されたんですか?

最初はアパレルから手を着けましたそれから、靴やバッグと広げ、下着や時計、香水、サングラスへと関わり始めています最近では、家具にも少しずつ関わるようになってきました

例えば時計は、これまでよりもさらにディーゼル的なイメージにシフトしていきたいディーゼルワールドがライフスタイル全体に広がるようにしたいとにかく面白くて突拍子もないことをやって行きたいですね

デザインはもちろん、カタログやビジュアルも手掛けているそうですね

デザインもそうですが、アーティスティックディレクションにもすべて関わっています広告キャンペーンもそうですが、カタログなどシューティングも全部見ています撮影にも関わって…本当は誰かに任せれば良いのに、どうしてもやりたくなってしまうんです

今はディーゼルのイタリア本社メインで働いていますNYとイタリアを行き来していますが、ロンドンにもデザイン拠点を構えるつもりです若い人が活き活きしている都市でインスピレーションを受けたい都市で言うとLAも気に入っているんですが、NYとかに比べてもちょっとイタリアまで遠いんですよね


2015秋冬コレクションより

デザインをするにあたって、スタイリストの経験はやはり大きいですか?

ディーゼルのエッセンスは人と違ったもの、強いもの、パワフル洋服で言えば、リアルクローズでカジュアルなものが中心です僕が関わってきたものは、どちらかというとレディーガガのコスチュームなど、ファンタジーがありましたディーゼルでもコスチュームを使ったり、良い意味で面白く取り入れていきたいです

例えばビジュアルに活かしたり…特に今は、面白いものはデジタルメディアを通してすぐに拡散していくより面白いものをメディアに発信してければと考えています

これまでにやってきた層とディーゼルのファン層は違うと思いますが、実感としてどうですか?

僕は昔から、アンディーウォーホールが好きで、コンシューマーに対して、たくさんの人にシンプルなことを伝えるようなものは好きですアイコニックで、デニムやレザージャケットなど多くの人に届くようなものを、“もっとかっこよくなりたい”思って、みんなが着てくれるのはハッピーです

以前の自分は、割と1点もの的なことを中心にやってきていたディーゼルは、ウォーホールのようにマスではないけれど、同じようにシンプルなことを広く伝えることをやっているそれは僕にとって新たな挑戦です

定番をフレッシュアップデート、街でみんなに着てもらえる喜び

ニコラがディーゼルのデザイナーをやると聞いて、はじめはとてもびっくりしました

はじめは僕もそう思いましたディーゼルって全然自分がやってきたことと違う位置にいたから、大丈夫かな?とでもレンツォが昔から気にかけてくれて、喋ったり相談したこともありました

レンツォってやり方がうまいんですよすぐにオファーは出さないぱっと気づいたら僕はサインしていた感じですあ、サインしてる!といった感覚ですちなみにFacebookなんかで連絡がきたりすることもあって、彼好きなんですよソーシャルメディアいつもインスタグラムをやっていて、いいね!をしていたりします


就任当時 – レンツォとニコラ

良好な関係を築かれているんですね

レンツォのようになりたいです彼のような歳の取り方をしたい彼がいなかったら今はなかったと思いますディーゼルのデザイナーというより、レンツォのディーゼルだから引き受けたと言ってもいい彼からは、パーソナリティを学びたいですね良くディーゼルのDNAについて話すんですそれを僕がモダンにアレンジする話す中で賛成できないところもあるけれど、そんな“賛成しない”内容に関してもリスペクトしてくれます

彼はプロダクトの人ですねスティッチが何個あるかとか…でもトップにいる人ってそうですよねミウッチャプラダやユニクロの柳井さんもそうみんなプロダクトが好きで、子どもみたいにワクワクしながら仕事をしている自分も頑張ろうと思います

今現在はどこに注力していて、ネクストステップはどう考えていますか?

全世界のプロダクトをよりプレミアムにすることに力を注いでいますディーゼルは日本以外だと、カジュアルな雰囲気が強い日本では、よりプレミアムなイメージで展開しているのですが、世界的にも日本のような方向性にしたいです

他にも、実店舗とオンラインの強化をしたいです新しいWebサイトが2015年秋にローンチされるのですが、かっこいいですよ!ソーシャルメディアやビジュアル、Eコマース、オムニチャネルなどをシームレスな世界にまとめたいです

※オムニチャネル:実店舗やオンラインストアといったあらゆる販売チャネルや、流通チャネルを統合すること

最初に就任した際に自分がやりたかったのは、Webサイトと服、広告の3つ服と広告は割と良いスタートをきったのですが、WebはEコマースとの連動などが難しく、2年もかかりました2年経つと技術も変わるので内容も当初より微妙に変わったりしてて難しかったですね

たくさんやるべき仕事がありますが、モチベーションはどこにありますか?

気づいたらサインしちゃっていて、長い契約があるから頑張らないと…笑

これまでは、短いプロジェクトが多かったのですが、今回はとても長期で大きなプロジェクトです

“着る人”という意味ではガガやビヨンセが着てくれるのも嬉しかったのですが、知らない人が街で着てくれているのを見ると、本当にテンションが上がりますよ特にそんな経験をできる機会が、ディーゼルには多い嬉しいですね

やはり、ストリートで着てもらっているのを見ると嬉しいんですね

街で着てもらっているのを見ると、発見もありますああ、こんな着方もあるんだ、とストリートは強いインスピレーションの源です僕のアトリエにはストリートスナップがたくさん貼ってあって、アシスタントに色々な街のスナップを常にアップデートしてもらっています

ハイファッションと違って、ディーゼルは街で着てもらわないといけない世界中で人々はどんなスタイリングをしているか?東京とNY、ロンドンでも違う特徴があります都市毎の特徴も一括りに言えるものではないのですが、例えば日本はプレッピー、スカンジナビアはミニマルでスキニー、アメリカはカジュアルみたいにプラダ ポーチ コピー

ディーゼルが描いているスタイルは、ビジョンや自分たちのデザインについてこい!ではなくて、もっと全般的なものトレンドを追うコレクションでもありません

定番をフレッシュアップデートしたり、追加していく色々な国、色々な人々が自分のワードローブを作ってもらえるような提案をします

お店から、こんな商品のニーズがあるから色違いが欲しいと言われれば、シーズン途中に作ることもありますこのスピード感はインターネットのおかげですねフィットの問題は、未だに課題ですアジアや北米との調整をしていかなければなりません