【ヴァレンティノ】ミュベール 2017-18年秋冬コレクション – 王妃マリー・アントワネットの夢見心地な日々

ミュベール(MUVEIL)の2017-18年秋冬コレクションのミューズは、マリーアントワネットフランス革命に巻き込まれた王妃をイメージソースに、貴族的なロマンティックを打ち出す浮世離れした、夢見心地なプリンセスの姿をディテールやカラーパレット、繊細な刺繍で形作った

 

上流階級へのイマジネーションは、デコラティブなディテールへと繋がった肘から先に広がったベルスリーブ、ブラウスのアームを飾るリボン、ボリュームたっぷりのパフスリーブ貴族たちのリッチなヘアースタイルは帆船モチーフに投影され、マリーアントワネットと言えばの‟マカロンカラー”が主役を担う当時の職人たちが好んだ、クロスステッチの技法はニットやジャケットに咲いた、花々のモチーフで再び輝きを取り戻している

“ヴェルサイユ宮殿ではきっとこんなインテリアが飾られているはず…”そんな空想から、家具やクッションから飛び出したリスのモチーフは洋服へそんな宮廷の平和な風紀は、虹と戯れるハトの飛び立つ姿で象徴的に描き出されている

 

王宮文化を紐解きながらも、コーディネートからはデザイナーの視点が、マリーアントワネットに憧れる庶民側にあることが見て取れるフェミニンで華やかな装いに合わせたのは、MA-1やメンズのスラックス風パンツといった男性的なアイテムチュールのドレスやスカートにも、カーゴパンツを重ねてファンダジーの中に現実性を響かせている