エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)の2016年春夏コレクションが、イタリアミラノで発表された。
ピーチやソフトオレンジ、フレッシュピンクなど可愛らしくなりがちな色彩も品よく映り、直線的な春の描き方、そしてフェミニニティを提示しているように感じた。華やかな色彩、柔らかくエアリーな素材、軽量なアイテム。それらを重ね合わせ、繊細な女性像を構築している。
ショーの中心は、ジャケットスタイルとドレス。ジャケットは、ノーカラーのものや極短のもの、半袖タイプなど、種類豊富に展開。そこに、ショートパンツやワイドパンツを合わせていくのだが、男性らしくなりすぎないよう、花模様のスカーフなどを添え、華のあるスタイルへと導いている。パンツ自体も、サイドにギャザーを寄せたり、クロップド丈に整えたりし、マニッシュさを軽減させている。
ドレスは、一枚でさらりと着こなしたルックが多く、陽の光が透けるほどに薄い素材がランウェイで揺れ動き、春の余韻を残していく。丈感を前後でアシンメトリーにしたり、一部分だけシースルー素材を用いたりして、表情に変化が生まれている。恒例のトリオウォーキングでは、ピンク、オレンジ、ライトブルーのドレスが連なり、重なり合い、ふわっとした高揚感を与えてくれた。
ルビー、サファイア、アメジストなど強い色彩と共にした昨シーズンとは一転。今季は、テーマ「SUMMER BREEZE」のごとく、風にのせて柔らかなフェミニニティを届けてくれた。